投資信託(報告書)の見方
この記事を書いている時点(2013年6月)、日本経済はアベノミクスの影響を受け、今年の一番高値で日経平均株価は、昨年末より80%の上昇を遂げていました。
この時期に投資信託を購入している方々は、成績が好成績になっています。
一方で2008年から2009年に購入した方は、ひどい場合だと2012年末で基準価額を7割以上も下回るような大幅な損失を抱えていたことになります。
景気動向に左右されるのは、いたしかたないとはいえ、投資信託の買うタイミングによってこうも成績が分かれてしまうと、自分の購入した商品が良い成績を収めているのかそうではないのか判別がつきません。そこでひとつの目安となっているのがベンチマークという概念です。
ひとつの例をだします。
日経平均が半年間で60%上昇してるとき自分が購入した投資信託の商品が20%上昇だったらどうでしょう?
これなら投資信託を買わずに日経インデックスなり225先物を購入しておけば良かったことになりますね。
もちろん、一番簡単な投資信託の「効果」についての目安は、「自分の預けた資産がいくらプラスになっているか」です。
しかし「世の中の景気が上昇したから利益が出ただけ」の場合、結果に対してとりあえずの満足はできても、商品そのものの判断としては不完全です。(景気が下がったから投資信託の成績も悪かったんですといわれて、そうですねと納得できるならいいですが)これでは「たまたま儲かった」だけで、投資信託に預ける意味がありません。
そこで一般的には、市場の平均に比べてどれくらいの利益がでたか、という点をみていくことになります。この基準値をベンチマークと呼びます。
ヘッジファンド等、アクティブ運用を標榜している会社のファンドマネージャーは、市場平均=ベンチマークを上回る成績を出すことを求められています。
なお、ベンチマークに何をもってくるかは、運用会社によって異なります。
どの指数をベンチマークとするかは目論見書や運用報告書で確認できます。中にはベンチマークという形ではなく、参考指数として設定している会社もあります。
最低でも2〜3年分の成績を、ベンチマークを基準としながら確認しましょう。
▼ベンチマークにはおもに以下のようなものあります▼
日本株式で運用する投資信託のベンチマークであれば
・日経平均株価
・東証株価指数(トピックス)
外国株式で運用する投資信託の場合であれば
・MSCI 国債インデックス)
以上のようなものが代表例となりますが、多くの投資信託がベンチマークとして採用しているものは、投資の世界で有名なものだけです。
ベンチマークで運用成果を計るわけですから、ローカルな指標を用意しても計りようがないからです。
ベンチマークと比べてその投資信託の方が良好なパフォーマンスを記録している場合は、たとえ現在の状況が悪かったとしても、その投資信託を頭に入れておきましょう。
なぜなら時間が経って、もしその投資信託の投資先に変化があり、大きく値上がりするような見通しになった際は、買い付けの検討を行うべきだからです。
通常ベンチマーク自体は、大きな経済状況の良し悪しで上がるのか下がるのかが決まってきます。
経済状況が良ければ、銘柄は違っても同じ投資対象群のどこかの銘柄に資金が入ることで、結局は、ベンチマークを押し上げることに繋がります。
その結果、基本的には見通し通り、ベンチマークは値上がりしていきますので、その市場に資金を投じていた投資信託は値上がりする可能性が高くなります。
その中でも、最も期待できる投資信託は、それまでの実績でベンチメークを上回る成果を出してきた投資信託です。
それまでは、ベンチマークを上回っていても市場全体が良くなければ、パフォーマンスがマイナスであることも多いことから注目をされずに放置される投資信託は存在します。
上で述べたように、一番大事な成果は、資産を増やすことです。その点でベンチマークを上回ることより、まずは値上がりすることが重要ですので、人気になることはありません。
しかし、環境が変わると、長期的にベンチマークを上回った投資成果を生んでいる投資信託は、市場が活気付いたところでもベンチマークを上回って投資成果を生む可能性が高くなり、大きな利益を得ることが期待できる投資信託へと変わります。
調べる時にこういった情報を一辺にストックしておけば、環境の変化があっても迅速な対応が可能となりますし、他の投資家が気付かない安いうちに買いつけを行うことも可能となります。
その意味でもベンチマークという言葉をまずは理解して、それを上回って運用されている投資信託には興味を持って調べてみると良いでしょう。
Japan Asset Manegement |
最近注目を集めているIFA。IFAという特定の金融機関に所属しない以上、自社商品に囚われず中立的な立場から投資信託選びの助言が可能。国内・海外問わず数多くの投資信託を扱っており、彼等に投資信託の相談をあなたにぴったりな商品を紹介してもらえます。 |
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BMキャピタル |
運用先は国内株式。独自の分析と緻密な戦略により高いリターンを狙う。ファンドマネージャーは東大出身で外資系投資銀行での就労経験も持つ。ファンドは四半期毎にレポートも出しているので、投資信託に近く分かり易い。 |
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野村證券JPMザジャパン |
99年以降、安定した運用が特徴。アベノミクス以降、日本株の流動性が高いため注目を集めている。 |
56点 | 6点 |